島本パートナーズHOME
ペンリンインターナショナルとは

生徒から質問

 開成高校で講演したとき、生徒からの質問に答える時間もありました。新型コロナウイルスの感染者や死傷者の数が日々増えていく状況だったせいか、ある生徒から「僕は最近、死ぬのが怖くて不安に思っていますが、どうやって解消したらいいですか」と聞かれました。

 生と死は裏腹なものであって、死だけが特別なものではありません。死ぬのが怖いのであれば、一番良いのは生まれてこないことです。ですが、誰かが生まれてくるのは、偶然が重なった結果です。たまたま父親と母親が出合い、精子と卵子が結合するという、ものすごく低い確率の中でこの世に生を受けたのです。そして生を受けた以上、いつかは死ななくてはなりません。大震災で感染症の拡大によってわかったように、昨日まで元気だった人が一夜明けるといなくなったりします。若い人でも一瞬先にどうなるかはわかりません。それが現実です。

 それを悲観的にとらえるのではなく、そういうものだと認めて、あきらめること。それを大前提にすれば、死んだのなら仕方ない、心臓が止まったのだと受け止められるようになります。それでも怖いなら、怖いのだと思ってもいいし、声に出して叫んでも構いません。しかし、今の感情から一歩離れて、自分の状態をメタ認知できれば、それほど怖くはなくなります。

 質問した生徒がどれだけわかってくれたのかは不確かですが、そんな話をしました。これは奇しくも、良寛上人が手紙の中で語っていることと同じです。良寛さん曰く、「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候、死ぬる時節には死ぬがよく候、是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候」(災難に遭うときは災難に遭うがよかろう、死ぬときは死ぬがよかろう、それが災難から逃れる秘訣だ)。人生とはそんなものだと思う以外に、自分の人生を受け入れるやり方はないようです。

 

 

 

Posted in: ヘッドハンターの独り言