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コップ半分の水を前にすべきこと

昨年、イギリスを旅行していたときに、ロンドンの「School of Life」の売店でガラスのコップを買いました。半分のところに線が引かれ、片側にpessimist、反対側にoptimistと書かれています。つまり、半分しか水がないと残っているかと思うのが悲観主義者、まだ半分もあると思うのが楽観主義者と意味です。

 先日のグロービス経営大学院の「企業家リーダーシップ」のクラスで、このコップを見せて、「ここで一番大事なのは何か」と、学生に質問しました。「見え方の問題だ」、「視点の違いが重要だ」という答えが多い中で、最後にだれかが「水が半分残っているという事実を認識することが大切ではないか」と答えました。

 アメリカの心理学者で、欲求5段階説で有名なアブラハム・マズローは、自己実現した人の特徴について、「物事をあるがままに見えること。現実をより有効に知覚し、それにより快適な関係を保つ」ことだと述べています。物事をあるがままに見ること、つまり、事実を認識することが重要だというわけです。

 とはいえ、事実を認識するのはなかなか難しいものです。たとえば、自分の現時点のキャリアを見て、どれだけ事実を事実として認識できているでしょうか。どこに勤務し、給料や今季のボーナスがいくらかというところから始まり、自分は会社から嘱望されているのか、普通か、普通以下と思われているか。これも客観的な事実があるはずです。自分が何かをしたか、自分はこれが向いているのではないかとか、解釈をする前に、何が現実かを見据えなくてはなりません。

 何が事実であるかを認識した後で、ようやく、自分はそれを楽観的に見るか、悲観的に見るかを自分が選んでいるかがわかってきます。同じ人でも、気分のいい日は楽観的になったり、落ち込んでいると悲観的になったりします。それが色付けした解釈だということさえ認識できれば、解釈を変えることができます。したがって、まずは事実認識をすること。それを心がけるだけでも、だいぶ見え方は違ってくるので、そういう教育をすることが大切だと思います。

 

 

 

Posted in: ヘッドハンターの独り言