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ペンリンインターナショナルとは

変化した世界を想像できない

私のように高度成長期に育った人は、心のどこかに楽観的な発想があります。たとえば、10年1度は必ず景気の底が来ても、そのうち回復する。回復したときには、それまでの損失が帳消しになり、プラスになるから大丈夫だという肌感覚を持っています。だから大丈夫だと思いがちですが、最近の不況は1度も回復することなく、かれこれ30年になります。それでも、会社には神様が宿っているから、つぶれるはずがない。このため、予防的に先手を打って会社を売ろうということもないのです。このまま進めば、会社がつぶれるかもしれないという発想を持てるのは、一度会社がつぶれる経験をしない人でないと、難しいのかもしれません。

 日本人は自然災害などで激変が起こると、その時は悲しみますが、がらっとマインドセットを変えて、復興に取り組むことができます。自然を前にすれば、仕方ないとあきらめて、気持ちを切り替えられるのです。一方、気候変動のようにじわじわと来る変化は、何とかなると思ってしまいやすいのです。

 しかし、そこで何とかならないのが現実です。毎年1%ずつ減少していくと、10年後、20年後に累積されて、崖となってガクンと下がります。現在、年間何十万人というペースで人口が減少しています。これが10年、20年続くうちに、ある時点から、坂道を転げ落ちるように激減します。そうした行く末を想像しなくてはならないのですが、それができない。四季折々に変わって、上がり下がりもあるけれど、そんなに変わるはずがないという暗黙の前提が私たちの深層心理のどこかにあるのです。こうした想像力の欠如は、これからの時代、非常に問題になってくると憂慮しています。

 

 

Posted in: ヘッドハンターの独り言