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何が正しいかは経営判断で変わる

   社内でも正しいと思うことや理想を貫き通せば、かならず誰か認めてくれる人がいる。そう信じたいものですが、こればかりは、時代環境や経営者に大きく左右される問題だと思います。

 たとえば、かつて私が勤務していた三和銀行(現三菱UFJ銀行)は「ピープルズバンク」を標榜し、利益ナンバーワンの銀行になりたいとは決して言っていませんでした。その後、経営者が交代し、凄腕の秘書室長とともに、戦略を大きく変更しました。ピープルズバンクを捨てて、利益ナンバーワンを目指し始めました。そうなった後でも、規律ある貸し出しをすべきだと主張した人は、銀行の方針に従わないということになり、多くは左遷され、役員にもなれませんでした。ナンバーワンになるために貸し出しで収益を上げるという戦略に立てば、それにブレーキをかける奴はけしからんということになります。たとえ後から見れば正しい指摘をしていたとしても、排除されてしまう。それが企業社会の悲しい現実です。

 三和銀行はその後、利益至上主義でひた走り、実際に利益ナンバーワンになったものの、バブル崩壊後に多額の不良債権を抱え、三菱銀行に吸収されるという結末を迎えました。あのときに、「利益追求は目指さない。ピープルズバンクの延長上で中小企業と個人のための銀行で行こう」と唱える経営者がいたならば、違った結果になったのではないかと思うことがあります。おそらくナンバーワンにはならないし、上位行から中位行に落ちたかもしれません。それでも、銀行としては生き残り、格付けも維持できていた。みんなが反対しても、そういう経営判断をしていれば、ネーションズバンク(現バンク・オブ・アメリカ)やウェルズファーゴのように生き残るチャンスがあったのではないか、と。

 企業間で半期ごとに業績を競い合う中で、どれだけ中長期のレンジで考えられるのかは難しい問題であり、まさに経営者の判断力が試されると思います。

 

 

 

Posted in: ヘッドハンターの独り言