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変革マネジメントの難しさ

前回、戦略コンサルタントがいきなり会社経営に携わると、意外に成功しないという話をしました。多くの戦略コンサルタントが現場で直面するのは、人が動いてくれない状況です。彼らは全社員を集めて経営戦略の説明会を開き、現状分析、環境分析、競合分析を行い、当社のコア戦略を説明し、どこに注力するかを明確にし、見事なプレゼンテーションを行います。方向性は明確で、理路整然としていて、申し分ありません。それなのに、みんなは今までやってきたことに捕らわれて、動いてくれないのです。

そこには、慣性モーメントが働いているだけでなく、変革を前にするときの恐怖があります。今までと同じことをやっていれば、死ぬことはない。しかし、変革マネジメントに乗っかって失敗すれば、首になるかもしれない。そんな恐怖と戦うくらいなら、みんな変革したいと思うはずがないのです。

このため、うまくいっている大きな会社ほど変革できません。それなりに順調な会社が、オーナーチェンジでMBO、MBIになった場合も同様です。どれほど丁寧に説明し、インセンティブを与えて、制度を変えて、ボーナスも出し、ストックオプションを付与し、会社を上場すればこれだけ儲かると説明しても、本当に変わらないものなのです。私はこれまでいろいろな会社を見てきましたが、この点は断言できます。

実際に、うまくいっている会社で自己変革を自律的にやり遂げた会社は日本では極めてまれではないかと思います。例外は、会社更生法を申請して、ファンドが入って事業再生をするなど、もう後がない場合です。こうなると、みんなに危機意識を持たせるマネジメントは不要になります。そうなる前にこそ、変革しなくてはならないのですが。これはどの経営者にとっても悩みの種だと思います。

 

 

 

 

 

Posted in: ヘッドハンターの独り言